商品の代金を後で払うことを掛け(かけ)といいます。
いわゆる“つけ”のことです。
企業においては代金を掛けとする場合が多いのでしっかりとおさえておきましょう。
まず最初に勘定科目の5要素を確認しておきましょう。
資産:増えたら借方、減ったら貸方に記入
負債:増えたら貸方、減ったら借方に記入
資本:増えたら貸方、減ったら借方に記入
収益:増えたら貸方、減ったら借方に記入
費用:増えたら借方、減ったら貸方に記入
仕入れ時の掛け
商品を仕入れて、代金を掛けとした場合、仕入側は後で代金を払わなければなりません。
この「後で代金を払わないといけない義務」を買掛金(かいかけきん)といいます。
買掛金は5要素では負債になるので、
増えた場合は貸方、減った場合は借方に記入します。
勘定科目:買掛金
5要素:負債
例を挙げてみていきましょう。
尚、例題では三分法を使います。
例:商品200円を仕入れ、代金は掛けとした。
まず、仕入という費用が増えたので、借方に仕入、200と記入します。
仕入 200 /
次に、買掛金という負債が増えたので、貸方に買掛金、200と記入します。
仕入 200 / 買掛金 200
↑ が仕入れ時の仕訳です。
ついでに決済時の仕訳もみていきまよう。
↓ は決済時の仕訳です。
買掛金を支払うことを「買掛金を決済する」といいます。
決済時の仕訳は
買掛金(負債)が減るため、借方に買掛金、200と記入、
買掛金 200 /
支払いをしたため現金(資産)も減ります。なので、貸方に現金、200と記入します。
買掛金 200 / 現金 200
売上げ時の掛け
商品を売り上げて、代金を掛けとした場合、売り上げ側は後で代金を受け取ることができます。
この「後で代金を受け取ることができる権利」を売掛金(うりかけきん)といいます。
売掛金は5要素では資産になるので、
増えた場合は借方、減った場合は貸方に記入します。
勘定科目:売掛金
5要素:資産
例:商品300円を売り上げ、代金を掛けとした。
まず、売上という収益が増える為、貸方に売上、300と記入します。
/ 売上 300
次に、売掛金という資産が増えたので、借方に売掛金、300と記入します。
売掛金 300 / 売上 300
↑ が売り上げ時の仕訳です。
ついでに回収時の仕訳もみていきましょう。
↓ が回収時の仕訳です。
売掛金を支払ってもらうことを「売掛金を回収する」といいます。
回収時の仕訳は
売掛金(資産)が減るため、貸方に売掛金、300と記入、
/ 売掛金 300
支払いを受けたため現金(資産)が増えます。なので、借方に現金、300と記入します。
現金 300 / 売掛金 300
クレジット払い
商品を売り上げて、代金の支払いがクレジットカードで行われた場合、売り上げ側は後で代金を受け取ることができます。
この「後で代金を受け取ることができる権利」をクレジット売掛金といいます。
クレジット売掛金は資産になります。
資産は、増えた場合は借方、減った場合は貸方に記入します。
勘定科目:クレジット売掛金
5要素:資産
なお、この場合売り上げ側は信販会社に決算手数料を支払います。
この手数料は支払手数料(費用)として処理します。
費用は、増えた場合は借方、減った場合は貸方に記入します。
勘定科目:支払手数料
5要素:費用
例:商品1000円をクレジット払いで販売した。 なお、信販会社への手数料(販売代金の2%)は販売時に計上する。
まず、売上という収益が増える為、貸方に売上、1000と記入します。
/ 売上 1000
つぎに、後で代金を受け取ることができる権利をクレジット売掛金(資産)で処理します。
同時に、信販会社に手数料を支払います。
この手数料は支払手数料(費用)で処理します。
売上1000円に対する2%が手数料になるので、(1000円×2%=20円)です。
クレジット売掛金は売上1000円から手数料2円を差し引いた980円となります。
クレジット売掛金(資産)が増える為、借方にクレジット売掛金、980と記入します。
支払手数料(費用)が増えたので、借方に支払手数料、20と記入します。
クレジット売掛金 980 / 売上 1000 支払手数料 20 /
以上が掛けの仕訳の基本になります。